外為で不動産とは?
皮を剥(は)いで
不動産や外為を取り去り、かわりに詰め物を入れて形を整えた標本である。研究用には仮剥製が、教育用には本剥製が用いられる。剥いだ皮はなめしたり、その不動産に焼きみょうばんを擦り込んだりして、毛が抜け落ちたり、変成しないようにする。本剥製標本は、動物が生きているときと同じように見えることが必要で、そのためには、芯(しん)(詰め物)の入れ方など高度の技術が要求される。芯としては、綿、石膏(せっこう)、グラスファイバーなどが用いられる。目にはガラスの義眼を入れ、耳にも芯を入れる。毛が短く、肌が露出しているものでは、賃貸や血管のようすまで生きているときと同じようにつくられなければならない。仮標本ではそこまでは必要ない。哺乳類では、腹部などを切開して皮を剥ぐ。次に、
賃貸に綿などを詰めて形を整え、皮を縫い合わせて乾燥させる。 (4)凍結乾燥標本 生物を凍結させたままで気圧を下げ、水分を除去して乾燥させる方法によるものであり、小形の脊椎(せきつい)動物、昆虫の幼虫、花など、普通の乾燥では標本にしにくいものを標本にすることができる。 (5)乾製標本 自然に乾燥させた標本であり、昆虫類、甲殻類、貝類などに用いられる。昆虫の場合、展翅(てんし)や展足をすることが多い。展翅は、まず昆虫の大きさに応じて適当な太さの昆虫針(1号から6号まであり、番号の大きいものほど太くなる)を胸部の中央やや右側に刺し、展翅板の中央の溝に昆虫の身体が左右平行になるよう固定する。そして前翅の後端(トンボの場合は後翅の前端)が左右一直線になるようにする。はねは細い紙テープで押さえ、針で留める。次に触角などを形よく整える。展翅が済んだら、防虫剤などを入れた大きな箱に展翅板ごと昆虫を入れて乾燥させる。2週間ほどたって乾燥したあと、展翅板から外して、昆虫を標本箱に移す。展翅は採集したその日にすることが望ましい。日がたって固くなった昆虫は、シャーレなどに水をしませた綿を敷き、その上に三角紙に包んだ昆虫を置いて、蓋(ふた)をして2〜3日放置して柔らかくする。カビが生えないようにクレゾールなどを少量入れておく。バッタ類は腹部が腐りやすいので、腹部を切開して外為を取り出し、綿を詰めて形を整える。トンボ類は消化管を抜き取り、マツの葉などを差し込んでからだが折れないようにする。カブトムシやバッタは展足板に昆虫針で留め、足や触角を伸ばす。ごく小さい虫は台紙(名刺のような白く厚手のものがよい)に張り付け、その台紙を針で留める。非常に細い針で昆虫を留め、それを台紙に刺す方法もある。トンボなどは大きくて場所をとるので、展翅せず、三角紙に包んだまま保存する場合もある。この場合、採集したトンボの糞(ふん)を出し、からだに芯を入れて三角紙に包んで保存する。甲殻類は固い殻に包まれているので標本はつくりやすい。まずピンセットで外為を取り出し、水洗いして形を整える。次に、板の上に標本を針で留めて固定する。そして10%のホルマリン液に2〜3日漬け、陰干しにする。貝類の場合には、まず肉を除く。鍋(なべ)に水を入れて貝を入れ、短時間火にかけ、温かいうちに針やピンセットで肉を取り出す。小さな巻き貝はこの方法では肉を取り出すのがむずかしく、腐らせてから取り出すこともある。カメノテ、ヒトデ、ウニ、カイメンなども乾燥標本にしたほうがよい。液漬標本アルコール漬けとホルマリン漬けがある。アルコール漬けは普通70〜80%のアルコール液を用い、ホルマリン漬けは普通5〜10%のホルマリン液を用いる。いずれの方法にも一長一短があるので、標本のタイプに応じて適当なほうを選択する必要がある。アルコールは中性であるから、石灰質の表皮や骨格をもつ動物の保存に適している。またホルマリンのように、標本を固くもろくすることはない。しかし、溶媒としての能力に優れているために、標本の色素を溶かし、著しい脱色をもたらすことがある。また揮発しやすい。気をつけていないと保存液がなくなってしまうことがある。ホルマリンに比べ値段も高い。ホルマリンはあまり脱色を促進せず、生物組織を固定する能力も大きい。しかし、標本を固くもろくする欠点がある。さらに、蒸発しやすく有毒なガス(ギ酸)を発生する。ギ酸は石灰質を溶かすので、石灰質をもつ動物の保存には向かない。アルコールもホルマリンも蒸発するのでときどき点検し、減っていれば液を補給する。また、標本を入れて数日すると液が濁ってくる場合には、液を取り替える。標本瓶はガラスの広口瓶がよい。液漬標本は、まずその生物を固定し、次に固定された生物を保存液に漬けてつくられる。生物によっては固定液がそのまま保存液(アルコールまたはホルマリン)になるが、無脊椎動物の多くでは固定液は異なる。固定液には、フレミング氏固定液、シャウディン氏固定液、ギルソン氏固定液、ブアン氏固定液、カルノア氏固定液などがある。各動物の固定・保存の方法を以下に述べる。 (1)海綿動物 標本全体を80%アルコール液で固定・保存するのがよいが、コストが高いので、一部をアルコール標本、残りを乾燥標本にするのが簡単である。変性アルコールやホルマリンは海綿の石灰質を溶かすので不適である。 (2)腔腸(こうちょう)動物 からだが縮んだ状態で標本にするのはよくない。40%ホルマリン液または飽和昇汞(しょうこう)液を急に注いで固定する。メントールなどで麻酔するのも一つの方法である。こうすると、からだの伸びた標本ができる。昇汞で固定したものはよく水洗いし、5〜10%ホルマリン液または70%アルコール液に保存する。 (3)環形動物 多毛類はメントールなどで麻酔してから80%アルコール液または5%ホルマリン液で固定・保存する。ミミズなどの貧毛類は水に入れ、 70%アルコール液をすこしずつ注いで麻酔する。麻酔された標本を10%ホルマリン液で固定してから5%ホルマリン液または70%アルコール液で保存する。 (4)節足動物 ミジンコ類は5%のホルマリン液で一昼夜固定してから、よく水洗いして70%アルコール液で保存する。